「CHA-Linkへようこそ」
はじめまして。竹内梨夏です。
私は、初代ミス・ティー・アンバサダー、煎茶道東阿部流師範、日本茶インストラクター、マインドフルネス・スペシャリストとしての専門性や経験を基に、煎茶法研究家として活動しています。
このページは私の思いや過去の活動実績・研究活動等をまとめたページです。
もし何か少しでも共感してくださることがあるなら嬉しく思います。
茶輪 CHA-Link の始まり – お茶が人と世界の輪を広げる –
茶舗で育んだ茶葉と茶空間への愛
私の実家は東京都東久留米市で大正4年の曽祖父の代から商店を営んでいました。
狭山茶の産地である入間市出身で、茶業研究所に勤めていた祖母が嫁いできたことがきっかけで、お店はお茶屋さんに形を変えることになります。
私は生まれた頃から、お茶の香りに包まれ、煎茶道師範であった祖母の美味しいお茶を毎日飲んで育ちました。
幼いころからお茶狂いで、お店の茶箱からお茶を盗み食いするほどでした。
小さいころは学校から帰るとまずは家族や従業員さんの働くお店に寄るのが習慣で、おばあちゃんか私が「お茶飲もうか」と言って、みんなでお茶を飲みながら、学校の話をしたりする時間が大好きだったんです。
その頃から、お茶そのもの以上に、お茶を人と囲む時間や空間が好きだったように思います。
しかし、残念ながら、2013年に経営不振でお店を閉めることになりました
私は幼稚園の頃からレジに立っていましたが、最後の一週間も毎日そこにいました。
すると、たくさんのお客さんが列を作って、「やめるのもったいないよ」「これまでお店があって助かったよ」など、たくさんの温かい言葉を頂くことになりました。
さらに、一番衝撃的だったのは、私たちのために涙を流してくれたお客さんがいたことです。
今でもその光景は忘れられません。
経営が上手でなかった優しい父や祖父でしたが、うちのお店は地元の方々からとても愛されていたことがよくわかりました。
そしてその時、私はこの精神を受け継いでいかなければいけないと感じました。
しかし、従業員さんも、お客さんも含めて家族のようだったお店が無くなった時の喪失感は計り知れませんでした。
2年半の東ティモール生活で得た気づき
お店を閉め、青山学院大学を卒業した翌年、私は青年海外協力隊として東ティモールの観光省マーケティング局に派遣されました。
それから2年半、国のよりよい発展のために尽力しましたが、そこで気づかされたのは、現地の人が本気で取り組んだときにしか国は根本的には変わらないということでした。
私はこの国の問題を解決するする主役ではないということがよくわかったのです。
そして、もう一つ大切な気づきがありました。
当然ですが、私は支援する側として日本から派遣されて東ティモールで活動を始めました。
しかし、ひとり若い女性がいきなり見知らぬ地にポツリ。
すると、実際のところ現地では、みんな裕福でもないのに、私がお腹を空かせていれば食べ物を買ってきてくれたり、送り迎えまでしてくれました。
いつも私のことを気にかけてくれ、私は助けてもらってばかりでした。
そこで、あぁ、やっぱりこの世界は片方だけが支援者というのはありえないんだなぁ。
一人では生きていけないし、助け合いでなりたっているんだなぁと実感しました。
こういった体験から、日本に生まれた者として、貢献できることをしたいと思うようになったのです。
そして、日本に帰国後、家のお店が閉店したときの思いも後押しして、「お茶が人と世界の輪を広げる」ことをビジョンに『茶輪(ちゃりん)』を立ち上げました。
それが今英語名となったCHA-Link(ちゃりんく)の始まりです。
お茶の新たな価値を提案しお茶文化、産業を盛り上げたい。
そして、世界中の人がお茶を通じて幸せの輪を広げ、国、文化、宗教を越えて人々が調和する社会づくりに貢献したいと思っています。
何かがおかしい日本
しかし、いざ日本に帰って来ると、逆カルチャーショックを受けることになりました。
いつもどこか楽しそうで陽気な東ティモール人たちといたせいか、東京の電車に揺られる人たちはみんな疲れていえる様に見えました。
「このままでは、人が支え合える状況じゃない。」そう思いました。
実際、私はコロナ前まで、毎月電車で40分離れた病院まで、90歳のおばあちゃんの通院に付き添っていた時に、なかなか席を譲ってもらえない経験を何度もしました。
私は祖母の存在をわかっていながらも、音楽に没頭したり、スマホをいじったり、寝ているふりをする若者や健康であろうスーツ姿の人たちを見る度に悲しくなりました。
日本人は意地悪なのでしょうか?そんなことはないはずですよね。
ただ皆疲れ果ててしまって、人のことを気にかけている場合じゃないのだと思います。
でも何かがおかしいのは間違いないでしょう。
私達の国は幸せを追い求めて発展してきたはずです。
私たちは果たして正しい方向に向かっているのか、立ち止まって考えてみる時が来たように思いました。
現代社会の課題とマインドフルネス
日本は先進国として技術進歩のスピードも早く、私たちの多くがその恩恵を感じているはずです。
しかしその反面、情報は溢れかえり、効率化が進んだことで、同時にいくつもやれること(やるべきこと)が増えてしまったのも事実です。
そのおかげで、いつも頭の中は「あれやらなきゃ」「これどうなったけ?」など考え事や情報でいっぱいになっています。
そうなると私たちは「心ここに在らず」になり、脳の過労は促進され、人に思いやりを持つ余裕もなくなることが研究で明らかになっています。
でも、スマホを捨てるわけにもいかないし、どうしたらいい?と思いますよね。
そこで、今その解決法として注目されているのがマインドフルネスです。
マインドフルネスとは「目の前のことをありのままに受け入れ、そのひとつのことに集中している状態」をいいます。
マインドフルネスはすでに世界中で医療現場やビジネス研修として活用されていているんです。
ストレス低減、集中力アップ、さらに、思いやり指数ともよばれる心の知能指数『EQ』が向上することが脳科学的にわかっています。
マインドフルネスの起源は茶道の精神性にも繋がる禅の修行にあります。
私自身、茶道をやっている時には心が静かで穏やかになっていることに気づき、「これがマインドフルネスなのか」とその効果は実感していたのでよくわかりました。
そして、「これだ!」と、まさにビビっと来たのです。
この効果を最大化して誰でもやれるようになったら、多くの現代人が助かるのではないか?
これが私たちを幸せに導く鍵になるのかもしれない!そう思ったら、私はいてもたってもいられなくて、気づけば煎茶道の要素をヘルスケアの観点から詳しく研究する日々を送っていました。
私はすぐにマインドフルネスの勉強をはじめ、資格を習得しました。
心理学や脳科学の知識も深めていき、私がかつて実際にやっていて有効であった、自律神経トレーニングの手法も取り入れることにしました。
課題は、誰でもできる形にするため、家庭にある急須やティーポットを使いながらも、伝統的なお点前の精神性や所作をどうやってそこに宿すのか、ということでした。
改めて茶道の精神性を追及するため、仏教を別の角度から捉えてみようと考えました。
起源を辿って16日間単身インドに行き、様々な瞑想法やヨガを学び、体験しました。
日本では坐禅会に通い詰め、気づきを煎茶法に落とし込んで行きました。
また、日本文化特有の所作の美しさや伝統に通ずるアイデンティティを客観的に見直すため、お茶以外の日本伝統文化からもヒントを得る事にしました。
書道、香道、水墨画、盛物に入門し、今もなお共通の本質を探っています。
そしてようやく形になったこの煎茶法は「自分のために淹れる」セルフケア作法として誕生しました。
使う道具は日常のものであり、作法はシンプルです。
その一方で、実際には様々な健康増進手法が取り込まれており、伝統的な茶道の精神や所作が中核にある、新感覚のお茶の淹れ方・飲み方となっています。
セルフケア煎茶法 cha-link やり方
セルフケア煎茶法は下記のとおり4つのステップに分かれています。
自分の感情や感覚に優しく向き合い、五感を最大限に使います。
そして、今この瞬間や、自分自身、そして周りの人へ感謝する時間を持ちます。
始めは外の音や姿勢などが気になっていても、お茶を飲み終えるころには心が静かで穏やかになっているのを感じることができます。
お茶を飲む部分だけを取り出せば5分でもできますし、お湯を沸かす時間をのばし、瞑想の時間を長くすれば1時間かけてじっくり自分と向き合うこともできます。
お茶でセルフケアする利点
今この煎茶法に価値があると確信したのは最初に述べた通り、技術進歩の弊害により心が疲れ切って、心の平穏が失われやすい社会だからです。
しかも、今コロナ禍で不安やフラストレーションを感じる人が増えていて、さらにその重要性は高まっています。
また、詳細な説明はここでは割愛しますが、下記のとおり、お茶でセルフケアをする利点は8つ挙げられます。
創造を続ける理由「また私の大切な心のより所を失いたくない」
改めて、煎茶道に加えて、お茶屋さんをやっていた時の思い出も含めて、お茶は私にとって大好きな伝統文化です。
私がこんなにも煎茶法の研究に没頭するのは、冒頭で述べたように、社会の課題を解決したい、という思いだけではないと思います。
かつて実家のお店を閉めることになった時、私には後悔があったんだと思います。
「何か存続できる方法があったのではないか。」
私は当時学生で、どうすることもできなかったのですが、そんな思いが漠然とありました。
今煎茶道を始めようという若い人はほとんどません。
私はまた自分の大切なものを無くすのではないかと危機感を持っています。
そして無くなるくらいなら、変化を恐れず生き残る道を懸命に見つけたい。
今度は役に立ちたいと思っています。
私は大学生の時に約1年アメリカの大学に留学し、東ティモールで働き、海外出張に行く中で、これまで海外でたくさん日本文化への称賛の声を聞いてきました。
どこに行っても、日本文化は人気で、自分がお茶文化に関わっていることが誇らしく、日本文化は私のアイデンティティの重要な部分を占める存在になっていると思います。
日本茶の伝統が途絶えないためには、今の社会に適応し、人々から受け入れられる必要があります。
そして、私が発見したように、茶道には今の人々を救える大きな可能性を持っています。
私は日常に溶け込み、自分を大切に癒すためのお茶の淹れ方で、改革を恐れずに、愛をもって伝統を継承していきたいと思います。
竹内梨夏(CHA-Link)過去の活動まとめ
国内・国外ででお茶のイベントを実施
2016年10月に東ティモールから帰国後、日本国内と海外で様々なお茶のイベントを開催しました。
2017年
- 8月 東京 恵比寿
- ゆめの庵 にて最高級煎茶「東頭」を味わうイベントを開催
- 10月 オーストラリア メルボルン
- 旅行会社 Reho Travelの社員向けに日本茶の講座を提供
- 11月 東ティモール ディリ
- 最大のショッピングモール Timor Plazaでお茶とソプラノのコラボコンサートを開催
2018年
- 3月 アメリカ ポートランド
- Tao of Teaにて煎茶道のインスタレーションを実施
- The Jasmine Pearl Teaにて「煎茶道と玉露」の講座を提供
- 5月 東京 代官山
- 割烹TAJIMAにて新茶と割烹料理ペアリングイベントを開催
- 5月 東京 四谷
- a piediにて新茶とイタリアンのペアリングイベントを開催
ティー・アンバサダー・コンテストでグランプリを受賞
in 京都 建仁寺 両足院
2018年9月27日 日本茶を国内外にPRする日本代表を決める「ティー・アンバサダー・コンテスト」の最終選考が臨済宗建仁寺派の大本山である建仁寺両足院で行われました。
建仁寺は中国から茶種を持ち帰り、日本にお茶を広めるきっかけを作った栄西禅師が開山したお寺で、お茶とゆかりの深い場所です。
それまで国内外でお茶のイベントを開催してきたことや、茶舗に生まれ小さいころから育んできたお茶愛を評価していただき、「ミス」部門でグランプリを受賞させていただきました。
これまでお茶文化を牽引してこられた先輩方から背中を押していただいたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
お茶の歴史が感じられるこの場所で、光栄な賞を頂き、身が引き締まる思いでした。
日本茶文化、日本茶産業に貢献できるよう努力して参ります。
日本茶&ソプラノのチャリティコンサートを開催
in 東ティモール ディリ Timor Plaza
2018年10月20日 前年に引き続き、東ティモールで最大のショッピングモールTimor Plazaで日本茶&ソプラノのチャリティコンサートを開催しました。
東ティモールの子供たちが日本へ留学するための旅費を募る目的で開かれ、南博駐東ティモール日本国大使ご夫妻や各国大使館からも参加者が集まり、大盛況となりました。
ソプラノ歌手宮良多鶴子さんの歌に合わせて煎茶パフォーマンスを披露し、休憩時間には参加者の皆様に各種日本茶を味わっていただきました。
東ティモールは400年もの間ポルトガルに植民地支配され、その後ポルトガルの民主化と共に独立を目指しましたが、今度はインドネシアに侵略され制圧された歴史があります。
そのため、なかなか独自の文化を豊かに育む環境には恵まれませんでした。
このイベントでは、そんな東ティモールの子供たちや現地の人たちにも、お茶を通じて文化の美しさを感じてもらい、少なからずも芽吹いた自国の文化をこれからも大切に育ててほしいという思いを込めました。
各国から参加者がお越しくださいました ソプラノ宮良多鶴子さん 玉露を淹れました 南大使と参加者の皆様 日本へ留学する子供たち 緑茶・玄米茶・ほうじ茶の飲み比べ 伝統的な東ティモールのダンスを披露してくれた学生たち
「味わうマインドフルネス」の開催
in 東京 代官山 割烹TAJIMA
2019年7月27日 「目を閉じて沈黙の中味わう」有機の日本茶と割烹料理ペアリングイベントを開催しました。
忙しいとスマホを見ながら食事をしたりして、何を食べているのかわからなくなることはありませんか?
また、現代社会ではパソコンやスマホの使用が増え、五感の中でも視覚を使うことが多いと思います。
このイベントは、頂く食事や飲み物と向き合い、五感、あるいはそれ以上の感覚を全て使ってつながりを感じてもらうことを意図して開催しました。
今回は割烹TAJIMAさんの繊細な割烹料理と有機のお茶のマッチング4種をご用意しました。
まず前半2種は普通にいつも通り食べてみます。
次に照明を少し落として、心を鎮める煎茶道の時間を持ち、さらに照明を落としました。
暗い沈黙の中、目を閉じて、お料理とお茶の香り、味、温度、器のさわり心地など全ての感覚に集中しながら味わいます。
素敵な発見ですが、後半では、みなさん自然と丁寧に食器を扱うようになっていました。
私が想像していた以上に後半は空間が全く違う世界と化して、自分自身が空間に溶けていくような不思議な感覚でした。
「普段他のことを考えたりお喋りしていると食べ物とのつながりが薄れていることに気づいた。」
「食べている時、外界と離れて自分が独立した存在のような感覚になって、でも食べ物と飲み物との純粋でシンプルなつながりが生まれて、孤立しているけど寂しくない感じになった。」
「いつも飲んでいるお茶なのに環境を変えるだけでこんなに飲んだ時の感覚が変わるとは思わなかった。」
など、とても興味深く、うれしい感想を色々といただきました。
cha-link煎茶法インスタレーション 開催
農林水産省からの支援を得て、パリとベルリンの展示会に参加し、200名を超える方々にcha-link煎茶法を体験いただきました。
疲れ切った自分の心に穏やかな気持ちを育み、味覚や嗅覚だけでなく、自分の本来持つすべての感覚を最大限に使って、お茶を楽しむ新感覚な体験に涙を流される方もいました。
パリやベルリンというこれまで行ったことのなかった、会うことのなかった違った価値観や文化背景をもつ方々とcha-link煎茶法を通じて、心のしこりをほぐし、心を通わせることができた経験でした。
やはり違う国に生きていても私たちは同じ悩みを持ち、同じ喜びを感じ、必ず通じるものがあるのだなと強く感じました。
改めて、お茶には人と人の心を通わせる力があるし、この煎茶法を広めていくことは神様からの私の使命であるように強く感じています。
ありがたいことに、すでにcha-link煎茶法を学びたいという方々が各国にいるので、それぞれの国で広めてくれる仲間を育成していく予定です。
in フランス パリ natexpo
2019年10月20~22日
in ドイツ ベルリン International Green Week
2020年1月17日~26日
偶然の出会いでお茶を淹れ、心を通わせる
in 東ティモール ディリ&アタウロ島
2019年11月20日~12月2日 これまで私は第二の故郷である東ティモールには毎年訪れ、日本茶文化を通じて現地の人々に貢献したいという思いで色々なイベントを企画してきました。
この年はあえて企画を作らず、偶然の出会いからその場で一緒にお茶で心を通わせることを試みました。
特別なイベントブースは用いず、そこにある環境を背景にそこにいる人たちと心を通わせることは、まさに一期一会の貴重な時間が凝縮されて流れていました。
ブロックチェーンの技術を使えばあらゆることをデータに記録できる時代に、もう出会うかわからない人たちと共有したその時間や思い、記録できない代わりに、いつでもその時のことを思い出したときに、じんわりとした優しい潤いが心を和らげてくれる貴重な体験でした。
一つ一つの出会い、一瞬一瞬の時の大切さを教えてもらった時間でした。
インドで瞑想やヨガを学ぶ
in インド オーロヴィル
12月13日~29日 cha-link煎茶法を開発する中で、漠然と何か足りないという感覚があり、インドへ単身ヨガや瞑想の勉強に行ってきました。
仏教の精神性を違う観点から探りたい思いもあり、ミャンマーやタイの修行寺に行こうと考えていた折、たまたまその頃メッセージをくれたインド人の友人からの勧めで、直観でインドに行こうと思い、飛行機を予約しました。
そして、毎日、日本ではなかなか体験できないような様々な形のヨガ・瞑想・ヒーリング等を体験し、様々な気づきで毎日驚いたり、感動したり、涙したりと、密度の濃い16日間を過ごしました。
特に、最後3日間参加したプラーナ・ヨガという呼吸に特化したヨガのトレーニングでは、日々何気なくしている呼吸に秘められたパワーを学び、驚かされました。
期待通り、煎茶法にも取り入れたい気づきをたくさん得ることができ、充実した旅となりました。
坐禅に打ち込む
in 福井 永平寺/ 東京 浄牧院
茶道の土台にある禅を学ぼうと本は色々と読みましたが、どれも、実践によってのみ智慧を得ると書いてあります。
そこで、とにかく実践をしようと坐禅を始めることにしました。
インドから空港に到着後そのまま福井へ飛び、永平寺へ向かいました。
初めて参籠し、坐禅や朝課に参加する中で、インドで感覚が研ぎ澄まされていたのもあると思いますが、五感以上の感覚でとても繊細に自他のない世界を感じとる体験をしました。
日本に帰ってからもその感覚を失いたくないのもあり、今まで以上に熱心に毎朝cha-link煎茶法を実践し、坐禅会にも毎回欠かさず通っています。
全ての人がここまで熱心にやる必要はないですし、スピリチュアリティを追求する必要はないと思います。
ですが、純粋に私自身は精神性を高めることで、そこから得た学びを、現実的で具体的な解となる手法に落とし込むことに、創造の息吹を感じます。
その点を追求していくことで、技術進歩や情報過多がもたらす弊害で疲弊する人々のサポートができると感じていて、どうやらそこに私の存在意義がある様に思うのです。
ですので、直観的な欲求を感じ続ける限り、今後も修練を続け、得た気づきを実践手法に応用していきたいと思っています。
書道、香道、盛物、水墨画へ入門
in 東京
また、日本文化特有の所作の美しさや伝統に通ずるアイデンティティを客観的に見直すため、お茶以外の日本伝統文化からもヒントを得る事にしました。
書道、香道、水墨画、盛物に入門し、今もなお共通の本質を探っています。
坐禅をやりたいという気持ちと同じ様に直観的に、それらも極めたいという気持ちも自然と湧いてきます。
同じ日本文化で、共通する精神性でがあってもそれぞれ違ったアプローチがあるということを、頭で理解するだけなら今でもできます。
しかし、それを実際に実践することで自分の体験から本質を捉え、煎茶法に反映しさらなる創造を生み出して行きたいです。
東久留米市民大学で講師を務める
in 東京 東久留米市民大学
2020年9月16日 講義【お茶と瞑想~日本茶の新たな価値創造にかける思い】
前年度、東京都東久留米市が年に2回発行している情報誌「ときめき」にインタビューを載せていただいたのをきっかけに、東久留米市民大学で講義をさせて頂く機会を頂戴しました。
地元の人生の大先輩たちに、少し思い切ったテーマでお話をさせて頂きました。
概念で理解する以上に実際に体感してもらうことができればいいなと思い、一緒にゆっくり呼吸をしたりして、コロナで接触が避けられる今、距離があっても心を繋げられるように丁寧にお伝えするように努めました。
正直、これまで外国人や、若い人たちを中心にやってきたことが、私の両親以上の世代の皆様に伝わるか、少し心配していたところもありました。
しかし、自分の子供よりも年下の私の話にも皆さん真剣に耳を傾けてくれ、また、躊躇なく一緒にプチ・マインドフルネス・セッションにもお付き合い下さりました。
最後には素敵な感想もたくさんいただき、あぁ、大丈夫だ、ちゃんと誰とでも心は繋がるんだと再認識しました。
コロナ前まで、ほぼ毎月海外出張で、外にばかり目が向いていた私でしたが、今後も地元で私の思いがお茶と共に届らえる機会ができればなと心から感じた時間でした。
国境、文化、宗教、性別、世代も越えて、【グローカルに!】お茶を通じてたくさんの人の心に穏やかさと優しさを育てるお手伝いをしていきたいと思う機会でした。
CHA-Link KISSA 「無言で無になる茶会」開催
2020年11月~ 「無言で無になる茶会」CHA-Link KISSAを少人数で開催しています。
CHA-Link KISSAはいわゆるお茶会というより、柔らかで穏やかな「場」と「空間」を皆様に預けているところ。
忙しく追われる毎日に、時には「何もしない」時間を感じていただきたいと思いご提供する時間です。
最初の30分は、「沈黙の時間」。
ゆったりとお茶が入るのを眺めたり、何もせずお庭を眺めながら、古いお茶室の雰囲気を感じながら、静かにお茶をすすってのんびりと過ごす時間を過ごして頂いています。
普通のカフェとは違い、自分の好きなところにお茶を持っていき座布団を敷いてお気に入りのスポットからくつろぎながら庭を眺めることができます。
残りの1時間は、自由時間。
お話しするでもよし、引き続きお庭を眺めるでもよし。
ゴロンと寝転ぶのもOKだし、もちろん何もしなくてもいいです。
自分の感覚に正直に過ごしていただいています。
ある会のこと。
涙を流していたお客様がいらっしゃいました。
後から聞いたら、同じように涙が込み上げていた方は一人だけではなかった様でした。
私もその日はいつも以上に全てがとろけて一つになる感覚がありました。
人が集い同じ空間で醸成する世界は無限大です。
自分も他人も地球も宇宙も全て同じなのですね。
第一回 cha-link煎茶法 講師育成講座 開講
2021年1月~ イタリア人を含む4名が受講し、3名が講師資格を取得しました。
これからはオンラインも駆使して、日本国内、そして海外の方々にcha-link煎茶法を伝えていきたいと思います。
cha-link煎茶法インスタレーション in 茶畑 「茶畑セラピー 」開催
2020年6月18日(第一回目) 自らの手でお茶を摘み、作り、瞑想しながら五感で飲んで癒される「茶畑セラピー」を狭山市の宮野園さんの農園にて開催しました。
「コロナ疲れ」という言葉がすっかり定着しましたが、「疲れた」と言える人は自覚があるからまだいいかもしれません。
心配なのは「私はまだ全然大丈夫」と思っている人たちの方です。
真面目な人ほど責任感も強く、ステイホームを厳守しているうえに、忍耐強い人が多い様に思います。
というのも、私自身がそうなのです。
私は家が大好きでステイホームが苦にならないタイプなんです。
ところが、今回の企画を思いつく前、狭山に向かっていたある日こと。
東京から茶畑へ進むにつれてだんだんと自然が増えていく間に、心に風が通っていく感覚に気づいたのです。
そして、茶畑に近づいた時には「あ、呼吸できた」と心がが解放されたのを感じました。
実は私はステイホームに、そして人工物の塊の中で過ごすことに疲弊していたんですね。
茶畑セラピーはお茶畑でお茶を摘むところから、飲むまで一連の流れが癒し体験となっています。
1.自然と触れ合う
日本三大銘茶の狭山茶の茶畑で、茶葉を自らの手で摘みます。
大きな空の下、小鳥のさえずりを聞きながら自然と触れ合います。
2.心を込めてお茶を手作りする
摘んだばかりのお茶を自分の手で揉み、乾燥させ緑茶を作ります。
茶葉を熱し乾燥する時に香る、お茶が放つ自然のアロマに癒されます。
3.五感を使ってお茶を頂く
茶畑の自然を感じながら時間を忘れて五感+@の感覚でお茶をいただきます。
誘導に従ってお茶を淹れていくので、お茶の経験がゼロでも問題ありません。
参加者の方々からは、
「手作りのお茶を丁寧に飲む体験。今まで人生で飲んだお茶で一番おいしく感じられた」
「仕事でいっぱいいっぱいだった気持ちがスーっと抜けていった」
「お茶を飲みながら周りの人の幸せを祈ることで、今この瞬間への感謝の気持ちが湧いた」
など、素敵な感想を頂きました。
コロナの今だからこそ家の中で鬱々としている人に癒しを感じて欲しいと思い開催を決めました。
今後も少人数で続けていきたいと思っています。